2022年8月18日木曜日

撤退のタイミング

反省点が多かった常念岳のチャレンジ山を終えてからしばらくは、遭難事故事例を見たり読んだりしていました。

基本的に一人で登るので嫌になったら下山できるという気楽さと有名な低山がメインなので遭難とは程遠い関係だなーなんて思っていました。

遭難事故事例で印象深かったのは、両神山と大山の事例でした。登ったことがある山だったので。どんな遭難事故事例かは読んでみてください。

最近ツイッターのタイムラインでも遭難のツイートがよく流れてきます。
時期的に富士山とかアルプスとかが多いですね。それについての批判や悪天候登山についての警告なんかも見るようになって、自分の撤退の基準ってなんだろう、と考えるようになりました。

■撤退のタイミング
よく耳にする遭難しやすい環境を書いていきます。

①無理な山行計画(自分の技術や体力に見合っていない計画)
→これはよくやってしまいます。前回の常念岳、去年の何となく行った赤岳なんかはもう計画時点でダメでした。

②道迷い
ついうっかり変な道に入ってしまうやつです。
これもよくやります。
ハイキングコースのはずの山梨県の黒岳1回目は分岐を間違えてしまい、だいぶ下ってから気づいて登り返しました。あとY女史と行ったカバ山(茨城県)でも道を間違えて目的とは反対の登山口に下りてしまいました。
今はYAMAPで地図を見ながら歩けるのでだいぶ減りましたが、先日の鳳凰三山旅行で鳳凰小屋から地蔵ケ岳に向かう道が分からず右往左往しました、2回目なのに。

③悪天候での山行
嵐の中の山登り、軽装での山登り、装備不備の山登りなどです。
先日のツエルト泊甲武信ヶ岳は10km先の山小屋に向かう5kmのところで雷雨にあいました。
通り雨だったので大丈夫でしたが、エスケープルートのない山の中で雷雨で動けなかったらどうしようかなーと思っていました。ツエルト泊練習の初回でビバークとは…。
あとは秋の金峰山の山頂で凍える、渓雪歩きと言われていたのに冬靴で行かなかった山行もありました。

④魔が差す
これは遭難事故事例でよくあるんですが、いわゆる「なんでこうなったのかが分からない。魔が差したとしか言いようがない」というやつですが、これは今のところ経験がない(のか魔が差した行為だと気づいてないか)のでわかりません。

この①~④、単一もしくは複合的な要因で遭難するのだと思っています。

遭難のニュースを見たときに、「登るのを諦めて再チャレンジすればいいのに」と思うときがあります。山は逃げないんだからって。
でも自分にあてはめてみて、これが何万もかけた遠征だとしたら、自分はちゃんと撤退できるのだろうかとふと思いました。

最近は高い山に登るようになって、この調子で東北とか北海道、九州の山に行ったときに「また来ればいいやー」と思えるか、いや思えないかもしれない。と不安になりました。

苦しいのが嫌いなので体調不良であれば旅費を惜しまず下山しますが、天候不良の時はどうだろう。台風だったらやめるけど、天気予報が晴れだったのに現地に行ったら大雨だった場合に諦められるか。空をみて晴天なのか疑似好天なのか見分けられるか。インターネットの天気と現地の天気が違うことは往々にしてあるから、もしかしたら晴れてるかも?で登ってしまうのではないか。

これまでの山行記録を見て、体調不良以外での撤退はほとんどなくて、意地になって登ってしまいそうだなと思いました。

■対策
遭難事故事例を読んで、あと自分の実績から、地図読みできない(練習中)、天気図読めない・インターネットの天気予報あてにしてない、山装備ちょっと足りない、高山テント泊経験が少ないことから、高山山行での撤退判断能力がまだ低いことが分かりました。

でもこの経験値のまま今月、来月とアルプス山行予定を入れています。

その時に、なるべく冷静に撤退しようと決められるように対策を考えました。

常念岳でも候補に入れていたアレです。
歩いてどら焼きを買いに行くってやつです。
どら焼きじゃなくてもいいんですけど、アンコが入ってる和菓子やら菓子パンを歩いて買いに行こうと。そうすれば山に登らなくてもアンコという楽しみがあるので撤退も惜しくない。

なので今後計画を立てるときにその土地のおいしいアンコ料理を調べるという項目が増えてちょっと面倒になり、山に行く頻度が減るかもしれまへん。